【統計検定1級】統計応用・社会科学 2021年 問2【解答】

本記事は、2021年に実施された統計検定1級・統計応用・社会科学の問1について、投稿者による解答例と解説を掲載しています。
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解答

[1]

与えられたデータの最小値、中央値、最大値、平均は以下のとおりである。
\begin{align*}
\textrm{最小値} &\quad 1 \\
\textrm{中央値} &\quad 8 \\
\textrm{最大値} &\quad 29 \\
\textrm{平均} &\quad 10 \\
\end{align*}

[2]

累積分布関数$F(t; \lambda) = 1 – S(t; \lambda)$より
\[
F(t; \lambda) = 1-\exp (-\lambda t)
\]
となり、これを$t$で微分したものが確率密度関数より
\[
f(t; \lambda) = \frac{d}{dx} F(t; \lambda) = \lambda \exp (-\lambda t)
\]
となる。これより、確率変数$T$はパラメータ$\lambda$の指数分布に従っていることがわかる。

[3]

確率変数$T$の期待値は
\begin{align*}
\E[T] &= \int_0^{\infty} \lambda t e^{-\lambda t} dt \\
&= [ -t e^{-\lambda t}]_0^{\infty} + \int_0^{\infty} e^{-\lambda t} dt \\
&= \left[ \frac{1}{-\lambda}e^{-\lambda t} \right]_0^{\infty} \\
&= \frac{1}{\lambda}
\end{align*}
また、分散は$\textrm{V}[T] = E[T^2] – E[T]^2$より
\begin{align*}
\E[T^2] &= \int_0^{\infty} \lambda t^2 e^{-\lambda t} dt \\
&= [ -t^2 e^{-\lambda t}]_0^{\infty} + \int_0^{\infty} 2t e^{-\lambda t} dt \\
&= \frac{2}{\lambda} \E[T] = \frac{2}{\lambda^2}
\end{align*}
となるので、
\[
\textrm{V}[T] = \frac{2}{\lambda^2}- \frac{1}{\lambda^2}
= \frac{1}{\lambda^2}
\]
最後に中央値は$F(t; \lambda) = \frac{1}{2}$をみたす$t$の値なので
\begin{align*}
F(t; \lambda) &= \frac{1}{2} \\
1- e^{-\lambda t} &= \frac{1}{2} \\
e^{-\lambda t} &= \frac{1}{2} \\
-\lambda t &= \log \frac{1}{2} \\
t &= \frac{1}{\lambda} \log 2
\end{align*}
となる。

[4]

まず最大値$T_{(n)}$の累積分布関数から求める。
\begin{align*}
P(T_{(n)} \le t) &= P(T_1 \le t, T_2\le t, \ldots, T_n \le t) \\
&= \prod_{i=1}^n P(T_i \le t) = \{ G(t) \}^n
\end{align*}
次に最小値$T_{(1)}$の累積分布関数は
\begin{align*}
P(T_{(1)} \le t) &= 1 – P(T_{(1)} \ge t) \\
&= 1 – P(T_1 \ge t, T_2\ge t, \ldots, T_n \ge t) \\
&= 1 – \prod_{i=1}^n P(T_i \ge t) = 1 – \{1-G(t) \}^n
\end{align*}

[5]

[2]より$F(t; \lambda) = 1-\exp (-\lambda t)$より、$G(t) = F(t; \lambda)$のときの最小値$T_{(1)}$の累積分布関数は
\[
P(T_{(1)} \le t) = 1 – \exp (-n\lambda t)
\]
となり、これはパラメータ$n\lambda$の指数分布の累積分布関数となっている。これより、最小値$T_{(1)}$はパラメータ$n\lambda$の指数分布に従う。
このことから、最小値$T_{(1)}$の期待値は次のように与えられる。
\[
E[T_{(1)}] = \frac{1}{n \lambda}
\]
次に、[3]から指数分布において
\[
\E[T] = \frac{1}{\lambda}
\]
となるので、$\lambda$の推定量として
\[
\hat{\lambda} = \frac{1}{\bar{T}}, \quad
\bar{T} = \frac{1}{n} \sum_{i=1}^n T_i
\]
を考える。このとき[1]より$\hat{\lambda} = \frac{1}{10}$となり、最小値の期待値の推定量は
\[
\frac{1}{n \hat{\lambda}} = 1
\]
となる。